楽しいことをしようと決めた件
今週は、なんだかいろいろ気忙しかった。
そして、左肩がえらく凝っていた。
左肩が重くなる時は、霊の類が憑いていることがあるという話を聞いて、これは払ってもらわねばと決心し、伏見稲荷にのぼってきたのが木曜日の話である。
伏見稲荷は、ずらりと並んだ千本鳥居が有名だ。
観光客は皆、千本鳥居で写真を撮るか、せいぜいその先にある奥の院まで行ってから引き返すが、とら子は登った。
気温35℃、日差しが照り付ける中、山を登った。
朝起きて、飲まず食わずで登った。何の修行だ。
※熱中症の危険があるので、よい子はマネしないように。
途中、70歳くらいのお爺さんに追い抜かされ、非常に恥ずかしい思いをした。
山頂の売店のご主人のようだ。段ボールを抱えて、悠々と登っておられた。
とら子は、日頃の運動不足を呪った。
山に登ると、気持ちが晴れる。
左肩の重さはとれたような気がするので、おそらく霊は飛んでったと思われる。
さて、例によって、マッチングアプリOmiaiに取り組んでいるとら子だが、やっぱり性に合わぬことが分かってきた。
一通りやりとりをしたら、ライン交換→会いませんかの流れとなるのだが、ここで拒絶反応が出る。
マッチングアプリなのだから、こうなるのは至極当然の流れである。
しかし、とら子は二の足を踏む。
なぜかというと、この二者関係において共通しているのは、「出会いを求めている」という点に尽きるからである。
交わす会話が浅くなることは、目に見えている。
コミュニケーション能力の高い人々は、そこから話を展開させて、なんかうまいこといくのだろうが、こちとらコミュ障である。馬鹿にしないでいただきたい。
浅い会話は何より苦手なのである。
さらに、一度でも会ってしまえば謎の情がわき、断りづらくなるではないか。
最近やりとりが続いたのは、同い年の自衛隊員であった。
間違いなくいい人だ。
わが妹が「私のいい人センサーが反応した」というほどだから間違いない。
しかし、やっぱり好みではなかった。
電話をしてみて話はそこそこ弾んだが、女子と付き合ったことがないという事実を打ち明けられ、途端に荷が重くなる。また、アニメ鑑賞が趣味、読んでいる本がラノベという点で、なんだか受け入れられなくなってしまった。
もう一度言うが、ほんとにいい人なのである。
問題はとら子サイドにある。心が限りなく狭いのである。
結局、電話したがる彼に「疲れているから」と大ウソをついて、完全に連絡を無視している。
好みの相手なら、持ち点100からの加点方式で計算するのに、好みじゃない相手には、持ち点50からの減点方式で計算している自分に気づく。
我ながら、こんな女は罰が当たってしかるべきと思う。
結局、いまやり取りが続いているのは、京都の寺の住職(37)と、ヤンキーみたいな弁護士(30)だ。
どっちも多分、そこまで出会いに本気じゃなくて、一日1~2通のメッセージを寄越してくれる。やる気がなくなったとら子のペースには、丁度良かった。
ところで金曜日、前回のブログに登場したけんちゃんのお姉さまに会ってきた。
お姉さまは、小柄で細身の綺麗な人だった。
このまま孤独に死ぬなんて嫌すぎるという不安を相談したところ、「フリーだからって一人になることはない。結婚したって、孤独に死ぬ人はいる」というお言葉をいただき、確かに!と思う単純なとら子。
また、「楽しいことをやってたら、そこに同じような人が集まるから、同じ志の人と出会えるよ。」「アプリが楽しいんだったら、それを楽しんだらいいと思う。向いてないんだったら、無理しなくていいんじゃない?」と言われ、何かを悟るとら子。
楽しいことしていいのか。
その後なんやかんや話をして、お店を出て、駅まで送ってもらい、ハグしてお別れした。
途中から、お姉さまが日本人ということを忘れていた。日本のスケールに収まりきらないビッグな人だった。
というわけで、自分の楽しいことをやろうと決めたとら子。
とりあえず、読書だ。英語だ。
オーストリアに行くために、ドイツ語だ。